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販売代理店契約のポイント2(契約書解説) Distributorship Agreement, Agency Agreement

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3.販売代理店契約の構成と契約条項のポイント 1

  • 任命 条項

    供給者が、販売店を、供給者の製品を独占的または非独占的に取り扱う正規の販売店に任命する旨の定めです。

    ここでは、特に、独占的なのか、非独占的なのかを明記することが肝要です。

    独占的であれば、供給者は、他の販売店を任命することができません。
    普通、独占的な販売店とする場合は、地域を分けることが行われますが、地域分けをせずに総販売店として任命する場合もあります。

    なお、あまりに厳格な地域割りをする場合は、独禁法違反となる可能性もありますので、注意が必要です。


  • 当事者の関係条項

    当事者の一方が他方の「代理人」ではなく、また両当事者がパートナーシップ(組合関係)などを形成するものではないことを宣言する規定で、一方が他方に成代わって義務を負担するような行為をしてはならない旨を定めます。


    販売店が、供給者の代理人となる場合は、前記の通り「代理店契約」として別の契約類型となりますので、ここでは、独立して行為する「販売店」であることを明記することになります。


  • 独占性条項

    最初の項目でも独占的か非独占的かを明記しました。
    ここでは、独占性がある契約について、その具体的な中身を規定します。


    例えば、供給者が、販売店が独占的販売権を有する地域(以下「本地域」とします)のお客さんから引き合いを受けた場合には、販売店に取り次ぐ、という定めです。

    あるいは、販売店側が「本地域」以外では商売をしないことを明記し、独占性の限定を行います。


  • 競合禁止条項

    特に独占的な契約の場合に、販売店の競合品の取り扱いを制限することが多く行われます。

    その理由は、販売店が独占権を有している以上、供給者は、当該地域内で他に販売店や代理店を起用することができません。

    従って、供給者としては、販売店が一所懸命売ってくれないと困るわけです。
    ところが、販売店が競合品を担いでいると、当該地域においてその立場を強化することが出来ず、売上も伸びません。
    このようなことから、独占的な契約の場合には競合禁止を課すことが多くなるわけです。

    なお、この場合、最低購入量の定めを置き、別の観点から、販売店が最大限の努力を販売拡大に傾注することを、契約上担保しておく場合も多くみられます。


  • 個別契約条項

    販売店契約は、その実「継続的売買基本契約」との側面を有しますので、取引基本契約と同様、個別契約の内容や成立に関する定めが必要です。

    ここでは、個別契約において定めるべき内容(目的物の名称、数量、単価、納期、納入条件など)と、個別契約の成立方法などを規定します。
    成立については、注文書−注文請書のやり取りで成立したとする場合が普通です。

    重要なポイントは、注文書に対する売主側からの返答がなかった場合に、個別契約が成立するのかしないのかを明定することです。


  • 梱包、出荷条項

    出荷にあたり適切に梱包すべきこと、出荷に関する費用負担、輸送料、保険料などについて規定します。


  • 納入・引渡条項

    期日に指定場所へ納入すべきことを規定します。

    取引基本契約では、納入遅延が発生した場合またはその恐れがある場合の対策などが規定されますが、販売店契約の場合は、転売を想定していますので、あまりシビアな規定は為されないのが普通です。

    従って、販売店側としては、納入遅延に備えて、顧客との売買契約において何らかの手当て(例えば顧客との売買契約の効力が、商品到着後に発生するとする等)を講じておくことが必要になります。

    (→
    もちろん販売店契約上にきちんと納入遅延の場合の処理を記載できればそれに越したことはありませんが、供給者側はそのような文言を入れることを拒否することが多いようです。)